オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「親父、俺は里香を愛してる」
……え?
嘘だってわかっているのに、胸が勝手に高鳴る。「愛してる」なんて言葉、生まれて初めて言われた。
「西園寺さん、誠に申し訳ございません」
深く一礼する八神社長。その姿になぜか私もつられ、気が付いたら頭を下げていた。
女の子のほうはお母さんらしき人に肩を抱かれ、八神社長ではなく私のことをじっと見ていた。
とんでもないことに巻き込まれた……。そう直感した。