結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
「えっ!? ……ほ、ほんとだ」
真っ黒なセダンを見つけて、苦い物が口の中に広がる。
「どうしてうちの車が……」
「俺のとこにいるのがわかったからじゃない? 三船はいないみたいだけど」
居場所が判明したから、隙をみて連れ戻そうとしてるってこと?
おじいちゃんの厳めしい顔が脳裏に浮かぶ。
やっぱりおじいちゃんはおじいちゃんだ。
私はリビングからスマホをとってきて、家の車を睨みながら電話をかけた。
3コールめで相手が出た瞬間「いい加減にして!」と叫んだ。
「どこまで監視するつもりなの!? 飛鳥井くんのマンションに寄越した人間を下がらせて!」
「仁葵ちゃん」
「私、帰らないから! おじいちゃんがお見合いをあきらめるまで、私を自由にしてくれるまで、絶対ぜーったい、帰らないんだから!」