結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
さっきまでおじいちゃんのことでイライラして、落ちこんで、自己嫌悪にため息もついていたのに。
学校では塩対応の完璧王子は、家ではこんなにも私を甘やかしてくれる。
家出した夜に私を拾ってくれたのが狼くんで、本当によかった。
「遊園地がいいかなあ。あの海の近くの。実は行ったことないんだ」
「では週末にお連れしましょう、お姫さま」
きざっぽく言って、私の頭にキスをひとつ落とした王子様。
思わず頬が熱くなるのを感じ、彼の腕に顔をうずめる。
「狼くん、海外でもすっごくモテてたでしょ……」
「そんなことないよ」
絶対うそ。
彼の甘い愛を味わった人が他にもいるかと思うと、モヤモヤがふくらみすぎて、胸が潰れそうだった。