結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編２追加】

「勝てるっていうのは、力は関係なくて。家柄だったり、見た目だったり、能力だったり人柄だったりだよ」

「……私、そんな出来た人間じゃないよ。家柄だけはそれなりでも、それは私が自分で手に入れたものでもなんでもないし」

「そう？　家柄もまた、その人の一部だよ。人ってみんな、たくさんのもので構成されてるんだから」


花岡家、というネームバリューも私の一部？

狼くんの言葉でも、すんなりと受け入れることはできなかった。
だって私はたまたま花岡の家に生まれただけで、私自身が努力して手に入れた立場じゃないのだ。

好きで花岡に生まれたわけじゃない。
おじいちゃんの反発心から、そんな風に思ったりもする。


「納得できない？」

「……正直、あんまり。だって良い家に生まれたからって、私がすごいわけじゃないもん」

「そうだね。でもだからといって簡単に捨てようとするのも無責任だと俺は思う」