結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
辺りが暗くなり、無数の電飾を装備したフロート車と大勢のキャラクターや踊り子たちによる煌びやかなパレードが始まった。
たくさんの人垣の中で、私たちはしっかりと手をつなぎながら夢のような風景を楽しんだ。
「……狼くん。デートに誘ってくれて、本当にありがとう」
「お姫さま、楽しんでいただけましたか?」
「はい、とても!」
私の元気な返事にふと笑うと、狼くんはサングラスを外した。
整ったきれいな顔が、近づいてくる。
色素の薄い狼くんの瞳に、パレードの明かりが映っている。
それは実際のパレード風景よりも、何倍も美しく見えた。
「狼く――」
唇の先が、ためらいがちに触れる。
私の反応を確認するように、狼くんの宝石みたいな瞳が見つめてくる。
目が離せずにいると、一度離れた唇がまた、すぐに降りてきて。
今度はちゃんと、明確に触れるキスをされた。
心臓が、壊れそう。