結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】

私いま、どんな顔してる? きっと真っ赤で、みっともない顔してるはず。
恥ずかしくて、ギュッと強く目をつむった。

でも視界が暗くなると、唇の感触を余計にはっきり感じてしまい、はじめてのその感覚に震えた。

宥めるように、狼くんが私の手をつないだまま、指先でなでてくる。
くすぐったいような気持ちいいような、なんとも言えない感覚にさらに震える。

そのとき花火が上がる音がして、周りの人たちから歓声が上がったけど、私はそれどころじゃなくて。
狼くんに翻弄されながら、まぶたの裏で花火の光を感じることしかできなかった。

どうしよう、狼くん。
こんなにドキドキして、嬉しくて、それから……切ないの。

それはたぶん、私が狼くんの本当の彼女じゃないから。

私やっぱり、狼くんのこと好きになっちゃったみたい……。



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