結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
パレードが終わり、夢見心地で私たちは帰る準備をした。
人の流れに乗るように、退場ゲートへと向かう。
つないだ手はそのまま、私たちはお互い無言だった。
本当は聞きたい。
どうして私にキスをしたの?
狼くんも私と同じような気持ちを抱いてくれてるの?
でも勇気がなくて、聞けなかった。
ちがうって言われたら立ち直れない。
何も聞かなければ、またキスしてくれるかな。
さっきの柔らかな唇の感触を思い出して、ひとりで恥ずかしくなった。
「ロッカーに荷物取りに行こうか」
「うん。あ、その前にお手洗い寄ってもいい?」
「いいよ。ここで待ってる」
狼くんと別れてレストルームに入ると、鏡に顔が真っ赤の自分が映っていた。
動揺しすぎ。狼くんは平然としてたのに。
「きっと……狼くんははじめてじゃなかったよね」