結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
その答えはすぐに見つかった。
狼くんと一緒に住むことになってすぐ、彼にかかってきた電話だ。
電話の相手を、狼くんは「美鳥」と呼んでいた気がする。
あのとき狼くんの電話の向こうにいたのが、婚約者だったのか。
「仁葵。傷つく前に、奴とは別れろ」
「でも……」
「どうしても花岡の家に帰りたくないなら、俺のとこに来ればいい。お前も住めるように、実家じゃないところに部屋をひとつ用意したから」
剣馬がそこまでしてくれたことに、言葉も出ないくらい驚いた。
だって剣馬はおじいちゃんが最優先で、私の気持ちなんて二の次で、狼くんのところを出たら、絶対に問答無用で家に連れ戻すと思っていたのに。
「どうして剣馬がそこまで」
「するに決まってるだろ。お前のことは俺が守ってやるから。心配しないで俺のとこに来い」