結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】

「そうだぞ~。主に花岡さんとの馴れ初めな」

「あと、花岡さんとの馴れ初めとか馴れ初めとか、馴れ初めとかな」

「……うざぁ」


狼くんはものすごく嫌そうな顔をしていたけど、結局田沼くんに問答無用で引きずられていった。

さすがクラスのムードメーカーの田沼くんだ。
いつも、愛想のない狼くんと他のクラスメイトたちの橋渡し役みたいなことをしている。

狼くんも嫌そうな顔はしつつも、田沼くんのことは嫌いじゃないんだと思う。
たまに私との会話にも、田沼くんの名前が出てくるし。

安心しながら、寧々子ちゃんとゆっくり話ができる、外のベンチへと移動した。
風に揺れる花壇の花たちを眺めながら、私はポツポツと寧々子ちゃんに話した。

遊園地のデートで、狼くんに恋をしていると自覚したこと。
同時に、剣馬に狼くんの婚約者の存在を教えられたこと。
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