結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】

金髪に、青い瞳の男の子だった。
顔立ちは狼くんに似ているけど、でもどう見ても日本人とは思えない。


「どうしたの? ……ああ、狼の髪と目の色がちがうからわからない? 狼は曾おばあさんがイギリスの方で、その血が濃く出たのよ。子どもの頃はこんな感じで色が明るかったけど、だんだん落ち着いていっていまの色になったの」


知らなかったの?と美鳥さんは他のページも見せてきた。
たしかに、成長とともに狼くんの髪の色は段々と薄茶になっていっていた。

それよりも、私は気づいてしまった事実に呆然としていて、美鳥さんのトゲのある言葉もあまり頭に入ってこない。

写真の男の子が、初恋の男の子だったから。

池に落ちた私を助けてくれた、あの金髪に青い瞳の王子様。
私の初恋の相手は、狼くんだったんだ。
そうとも知らず、また私は狼くんに恋をしていたんだ。

そして――。

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