結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
「これでわかってくれたかしら? あなたはいま、婚約者のいる男性の部屋に上がりこみ、我が物顔でくつろいでる、厚かましくて恥知らずなことをしているって」
「……すみません。いますぐ出ていきます」
私は顔をうつむけたまま、家出したときに持ってきていた少ない荷物を、来たときと同じようにボストンバッグに詰めこんでいった。
一緒に買い物をしたものは、全部置いていくことにした。
脱いだルームウェアも、迷ったけれど置いていこうと決めて丁寧に畳む。
きっとあとで、美鳥さんがまとめて捨てるんだろう。
荷物が少なすぎて、あっという間に片づけが済んでしまった。
いつの間にかルポがそばにいて、甘えるように鳴きながら、私の体にすりっとなついてくる。
寂しさで胸がいっぱいになって、温かなルポの体を抱きしめた。