結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
同棲の心得その6【同棲解消は話し合ってすべし】
*
真っ直ぐ家に帰ると思いきや、剣馬が案内してくれたのは、オートロック付きのマンションだった。
「ほんとに部屋、用意してたんだ……」
「俺は嘘は言わない」
知ってる。
剣馬は卑怯なことはしない、誠実な男だよね。
ウソの恋人を作って逃げようとした私とちがって。
小さなリビングの他に、部屋はふたつあった。
狼の部屋と、私の部屋だそうだ。
ベッドと鏡が置かれているだけの部屋は、それだけで急いで避難所を作ってくれたのがよくわかって、改めて剣馬の優しさが胸にしみる。
「仁葵。ほら、目ぇ冷やせ」
「……ありがと」
冷たいタオルを渡されて、素直に受け取る。
泣いてパンパンに腫れた目に、ひんやりとしたタオルは心地良かった。
「これから、お前はどうしたい?」
「……私に、決めさせてくれるの?」
真っ直ぐ家に帰ると思いきや、剣馬が案内してくれたのは、オートロック付きのマンションだった。
「ほんとに部屋、用意してたんだ……」
「俺は嘘は言わない」
知ってる。
剣馬は卑怯なことはしない、誠実な男だよね。
ウソの恋人を作って逃げようとした私とちがって。
小さなリビングの他に、部屋はふたつあった。
狼の部屋と、私の部屋だそうだ。
ベッドと鏡が置かれているだけの部屋は、それだけで急いで避難所を作ってくれたのがよくわかって、改めて剣馬の優しさが胸にしみる。
「仁葵。ほら、目ぇ冷やせ」
「……ありがと」
冷たいタオルを渡されて、素直に受け取る。
泣いてパンパンに腫れた目に、ひんやりとしたタオルは心地良かった。
「これから、お前はどうしたい?」
「……私に、決めさせてくれるの?」