結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
責めるように言われて、そっと目を伏せた。
電話、してくれたんだ。
スマホの電源は落していたから、確認できていなかった。
連絡来たら来たで困るけど、来なかったらそれはそれで悲しくなりそうで。
どっちつかずな自分が嫌で、そのままにしていたのだ。
「美鳥が家に来たんだね。ごめん。何か嫌なこと言われた?」
嫌なこと。
嫌なことって……何?
彼女が狼くんの婚約者だっていう事実を伝えられたのは、嫌なことに入る?
「家には来ないように言ってたんだけど、本当にごめん。でも仁葵ちゃんが出てくことはないんだよ」
「……狼くん、何言ってるの?」
「美鳥のことは、追い返したから」
私が口を開いたことに、ほっとしたように狼くんが近づいてくる。
でもそれを遮るように、剣馬が前に立った。