結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
「お前みたいなクズを、仁葵に近づけることを許してしまった自分に腹が立つ」
怒りを凝縮したような剣馬の声に、どうしよう、と焦りが募る。
剣馬が本気になったら、狼くんは大変なことになっちゃう。
狼くんは口から血の塊を吐き出して、剣馬を睨み返した。
「図星を指されてイラついたの間違いだろ?」
「貴様……っ」
「や、やめてよふたりとも!」
今度は剣馬が狼くんにつかみかかろうとした。
それを狼くんはするりと躱し、お返しとばかりに狼の顔に鋭くこぶしをめりこませた。
剣馬はそれをものともせずに、狼くんのお腹を殴り返す。
そこからはもう、蹴る殴るの応酬だった。
私がいくらやめてと訴えても、ふたりは止まらなかった。