結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
どんどんふたりがボロボロになっていく。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
もう見ていられなくなって、思い切ってふたりの間に飛びこんだ。
「……っ! 仁葵ちゃん!」
「危ないだろ!」
「だってふたりがやめてくれないから!」
剣馬の体を押すようにして、狼くんから離す。
人を呼ばれる前に行かないと。
ふたりの目には冷静さが多少戻ってきていて、お互い構えを解いていく。
「……狼くん。ごめんなさい。勝手に出て行って」
「仁葵ちゃん」
「でも、いずれは出て行かなきゃいけなかったし。それがちょっと早くなっただけだから……」
「まさか……戻ってきてくれないの?」
私を見る狼くんの姿は、まるで捨てられた仔犬みたいだった。