結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編２追加】

罪悪感みたいなものが湧いてくる。
大丈夫だよ。戻るよって、言ってしまいたくなる。

でも、そんなものはまやかしだ。

狼くんにとって私はそんなに重要な存在じゃない。
ただいっとき、生活をともにして、恋人のふりをした、共犯者というだけ。


「美鳥に何言われたの？　もしかして誤解してる？　俺と美鳥は――」

「狼くん。私、家に帰ることにしたの」


狼くんの少し垂れ気味の優しげな瞳が見開かれる。


「え……でも、お見合いは？」

「いいの。結局逃げてるだけで、自分じゃ何もしてないって気付いたから」


剣馬の大きな手が肩に乗せられる。
少しこめられた力に、勇気づけられるようだった。


「お見合いしてみて決めるのも、悪くないかなって」