結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
剣馬と一緒に教室に入ると、一瞬教室が静まり返った。
すぐに寧々子ちゃんが飛んできてくれて、私はへたくそな笑顔を浮かべる。
「仁葵」
「ん。大丈夫だよ」
私の答えに、剣馬はひとつうなずき離れていった。
代わりに寧々子ちゃんが私の腕をがっしりつかむと、廊下に出てひと気のないところまで引っ張ってきてくれた。
「仁葵ちゃん、つらそうな顔してます。何かあったんですか?」
「寧々子ちゃん……。私、家に戻ることにした」
「え? じゃあ、お見合いはなくなったのですか」
「ううん。お見合いは、受けることにしたよ。会ってみて、どうするか決めようと思って」
「……急にどうしたんですか? 飛鳥井くんはなんと?」