結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
普段は視察だ会議だってあちこち飛び回っていて、明るいうちに家にいることなんてめったにないのに。
目を冷やすことはあきらめ、仕方なくエントランスの左手にあるリビングルームに入った。
「……おじいちゃん」
西洋風の豪奢な内装の部屋で、和服姿のおじいちゃんは紅茶を飲んでいた。
ソファーに腰かけ、厳めしい顔で。
洋館と和服。
ちぐはぐなようでいて、でも不思議とおじいちゃんは浮かずに馴染んでいる。
「帰ったか」
カップを置き、おじいちゃんが厳めしい顔を上げる。
怒られるだろうと覚悟していたのに、おじいちゃんの態度は私が出ていく前と変わらなかった。
「帰ってきたということは、気が済んだんだな」
「……はい」
「では予定通り、見合いは今週末だ」