結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
まるで、こうなることはわかっていた、とでもいうような態度に、カッと顔が熱くなる。
自分がいかに子どもか、改めて思い知らされたみたいで、恥ずかしくて泣きたくなった。
「新造さま……!」
一歩前に出ようとした剣馬を手で制す。
おじいちゃんの忠犬なくせに、私のお見合いについて抗議しようとしたのは、すぐにわかった。
なぜ、という顔で見てくる剣馬に首を振る。
小さく深呼吸をして、頭を下げた。
「わかった」
「おい、仁葵……」
「お見合いはします。でも、その先はまだ白紙にしておいて」
じろりとおじいちゃんに睨まれたけど、それは譲れなかった。
お見合いはする。相手に会ってみる。
でもその先は、会ってみなくちゃわからない。