結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
「……家出して、少しは学んだようだな」
「新造さま。待ってください。仁葵にはまだ早いのでは――」
「剣馬。この件に口を挟むのなら、それなりの覚悟が必要だ。わかっているのか」
重い響きのひとことに、剣馬はぐっと押し黙る。
握りしめた手を震わせていた剣馬は、やがてフッと力を抜くと、頭を下げた。
「申し訳ありません」
「……やれやれ」
あきれたように呟くと、おじいちゃんは「もう下がりなさい」と言ってまた紅茶を飲みはじめた。
私たちはそろってまた頭を下げて、リビングルームを出る。
エントランスに戻ると、緊張の糸がほどけて自然とため息がもれた。
「剣馬……大丈夫?」
「ああ……」