結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編２追加】

美鳥さんは信じられないというように、顔を真っ赤にして震え出す。


「私より、その女が大事だっていうの……？」

「そうだよ。仁葵ちゃんは、僕にとってたったひとりの、特別な子なんだ。だからいくら美鳥でも、彼女を傷つけることは許さない。それからマンションのキーは替えたから。俺の親から合鍵を勝手に受け取ったみたいだけど、二度とそういうことはしないでほしい」

「そんな……」


目に涙をいっぱい溜める美鳥さんに、少し前の自分が重なって胸が痛くなる。
同情なんて彼女は絶対にされたくないだろうけど、どうしても失恋したと思ったときのつらさがよみがえってしまう。


「こんなひどいこと言うの、狼じゃないわ！　私は認めないんだから！」