結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
これってまさか、と驚く私の目の前で、狼くんが蓋を開く。
そこには、白い台座の上で静かに、けれど強く輝く大粒の宝石があった。
アンティークカットのダイヤを乗せた、プラチナの輪。
それは紛れもなく――。
「花岡仁葵さん」
「は、はい」
「何よりも大切にし、守り抜くと誓います。俺と……結婚してください」
真っ直ぐな、嘘偽りなど欠片も含まない視線に囚われて、言葉が出ない。
まさかこの場所で、あのときの初恋の彼に告白されるなんて。
プロポーズされるなんて、想像もできなかった。
「狼くん……本物の王子様みたい」
「じゃあ、仁葵ちゃんはやっぱりお姫様だね」
「お姫様に、なってもいいの?」
「仁葵ちゃん以外にお姫様なんていないよ」