結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】



濡れた髪のままリビングに戻ってきた仁葵ちゃんに、俺は目を細めた。


「こらこら、仁葵ちゃん。ちゃんと髪乾かさないと、風邪引いちゃうよ?」

「え~? 狼くんだって、よくやってるのに」

「俺はいいの」

「なにそれ、ずるい」


ぷくりと頬をふくらませる仁葵ちゃんは、殺人的な可愛さだ。

濡れ髪に、上気した頬に、しっとりと艶めく肌。
俺の理性は何度も粉々に打ち砕かれそうになっている。

せめて髪を乾かしてくれないと、襲っちゃいそうでまずい。
俺は慌ててドライヤーを持ってきた。


「ほら、乾かしてあげるから」

「えっ。狼くんが? わーい」


無邪気にソファーの前のラグに座りこむ仁葵ちゃん。
俺が笑顔の下で必死に理性を再構築してるなんて、想像もしていないだろう。
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