結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
仁葵ちゃんの柔らかな髪を持ち上げ、丁寧に乾かしていく。
こんなに触り心地の良い髪を傷めるわけにはいかない。
ものすごく重要な任務だ。
時折あらわになる彼女の白いうなじにドキリとする。
(美味しそう……)
キスして、吸って、舐めて、噛んで……。
そしたら、彼女はどんな反応をするだろう。
「わ~……きもちいい」
俺の変態くさい妄想に気づく由もなく、仁葵ちゃんがうっとりと呟く。
すっかり俺に気を許してリラックスした姿に、俺の良心がズキズキ痛んだ。
俺がこんなこと考えてるなんて知ったら、きっと仁葵ちゃんは逃げてしまうだろう。
もちろん、逃がすつもりなんてないんだけど。
だから俺は今夜も、紳士の仮面をかぶって彼女をこの部屋に留めるんだ。