結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】

子どもの頃、仁葵ちゃんと会ったことがある。
俺はそれを、彼女に言えずにいる。

ホテルのパーティーを、こっそり抜け出す可愛い女の子の姿を見かけて、俺は親から離れ追いかけた。
そしてその子は俺の目の前で、足をすべらせ池に落ちたのだ。

俺は一瞬迷って、池に飛びこんだ。
それは間違った選択だった。

飛びこむ前に大人を呼べば良かったんだ。
そうしたら、もっと早く彼女を助けることができた。

子どもが子どもを、それも池に落ちてパニックになっている子どもを助けるのは難しくて、なかなか引き上げることができなかったのだ。

結局駆け付けた大人たちに救い出されたけど、ぐったりした彼女を見て俺は泣いた。
集まった大人に事情を話し、ひたすらごめんなさいと謝った。
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