結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
ずっと、その子のことが忘れられなかった。
ひとめぼれというやつだったのかもしれない。
淡い恋は、助けられなかった後悔と一緒に、何年も俺の胸の中で育ち続けた。
海外で暮らす中でも彼女を忘れることはなく、会いたい気持ちを抑えきれなくなり、俺は日本で暮らすことを決めた。
じいちゃんの力を借りて、あの時の子が【花岡仁葵】という良家のお嬢様で、鳳学園に通っていることを知り、編入までした。
でも、再会は苦いものだった。
彼女の隣りには知らない男が常にいて、彼女の笑顔を独占していたのだ。
三船がボディーガードとは知らず、彼氏だと勘ちがいした俺は、遠くからそっと彼女を見守った。
残念だったけど、少しほっとしている自分もいた。