結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
あの時助けられなかったことを、言わずに済んだと。
ほんと、自分でも情けないと思う。
そして三船が彼女の恋人ではないと知り、俺はさらにずるく動いた。
見合い相手として、彼女に会おうと画策したのだ。
他の男が彼女の見合い相手になるのが許せなかったのもある。
本当に他人のものになってしまう、と焦った。
でも見合い相手の座を勝ち取ったはいいが、彼女は見合いを嫌がって家出してしまった。
花岡の会長から連絡があって、本当に肝が冷えた。
相手が俺だとは知らなかったことはわかってる。
でも俺自身を拒否されたように感じて、ちょっと傷ついた。
こそこそずるく動いているくせに、身勝手この上ない。
それでも、どうしても俺は仁葵ちゃんを逃がしたくなかった。