結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
だからこうして、俺の部屋という鳥籠の中で、彼女をひたすら甘やかし、可愛がっている。
俺から離れる気になんてならないように。
真実を知ってしまったとしても、俺から離れては生きて行けなくなっていれば、きっとずっと一緒にいられる。
「……はい、おしまい」
カチリとドライヤーを切り、彼女の髪をひとなでする。
頭のてっぺんから爪の先まで、全部全部俺が手入れしてやりたい。
そうして少しずつ、俺に依存してくれたらいいのに。
「ありがと、狼くん!」
振り返り、純粋な笑顔を向けてくれるかわいい子。
たまらなくなって、俺は後ろからぎゅっと彼女を抱きしめた。
「狼くん?」