結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
飛鳥井狼。
俺たちと同じ鳳学園の生徒で、仁葵のクラスメイト。
そして現在、俺の仁葵の婚約者のイスにふんぞり返っている、憎たらしい男だ。
「お前は8時間は絶対寝ないと次の日に響くんだから、LINEなんてしてないでさっさと寝ろよ」
「だって~。おじいちゃんと剣馬が、なかなか狼くんと会わせてくれないからあ」
「別に俺たちは何もしてないだろ。仁葵が忙しいだけだ」
「だから、忙しくしてるのがそっちなんじゃん。私の許可なくぽんぽん勝手に予定入れてくれちゃってさあ……」
目をこすりながら文句を言う仁葵の手首をつかむ。
「こするな。赤くなる」
「う~……剣馬のバカ。過保護」
「はいはい。……学校着くまで、ちょっと寝とけ。肩に寄りかかっていいから」
小さな頭を引き寄せると、仁葵はよほど眠かったのか、素直に俺の肩に頭を預けて目を閉じた。
すぐに静かな寝息が聞こえてきて、そっとため息を吐く。
「どっちがバカだ。バカ仁葵」