結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
「私は絶対にお見合いなんてしないから!」
叫ぶように宣言して、私はダイニングを飛び出した。
料理にはほとんど手をつけていなかったけど、あれ以上おじいちゃんと同じ空間になんていられない。
自分の部屋に入ってもむしゃくしゃした気持ちは収まらなくて、ソファーのクッションを壁に向かって投げつけた。
「いまどきお見合いって! 家柄って!」
令和の時代に、昭和の価値観を持ちこまれても困る。
たしかにうちは歴史のある家で、おじいちゃんは緑杜銀行融資系列、花岡グループの会長。
その一人娘のお母さんは系列会社の役員で、私はその孫という立場だ。
うちが他所より少し裕福なのは知っているけど、だからといっておじいちゃんや会社の駒のように扱われるなんて耐えられない。