ぜんぶ欲しくてたまらない。
「あ、」
「どうしたの?」
突然声を上げたコウくんに首をかしげる私。
「今日も一緒に寝ようね」
「えぇっ!?」
せっかくコウくんに迷惑をかけないように絶対コウくんとは一緒に寝ないと今日の朝心に決めたばかりなのに。
「俺と一緒に寝るのいや?」
「い、いや……っていうか、ほ、ほら!またコウくんのこと蹴っちゃったりしたら困るし……」
「あぁ、あれ嘘だから。それに、芽依は俺の抱き枕だから一緒に寝てくれないと困る。芽依に拒否する権利はなし」
それなら最初から聞かないでよ!
そう反論しようとしたら、さっきまで眠そうにしていたのは嘘かのようにコウくんは普通に起きて部屋を出ていってしまった。
「待って、コウくん!」
ドキドキして寝られないかもしれないという不安もありつつ、今日もコウくんと一緒に寝られるという嬉しさに心を躍らせる自分がいた。