ぜんぶ欲しくてたまらない。
戻るとさっきと変わらずわたしのベッドの上で寝転がるコウくんの姿があった。
「お母さんに聞いたよ。なんか急にごめんね?」
わたしが本当は誘おうとしていて、多分断られるだろうと思っていたことが願い叶っている。
本当に明日雪でも降るんじゃ……
「別にー」
「でも、面倒くさいって断りそうなのによくオッケーしたね?」
今日の放課後だって須藤くんにそう言って断っていたのに。
「芽依のお母さんから頼まれたら断れないでしょ」
そんなものなのかな?
でも……わたしもコウくんのお母さんからお願いされたら確かに断れないかも。
この前の同棲のこともコウくんのお母さんから頼まれたからっているのも半分あるし。
「それよりめっちゃ芽依のお母さんに懇願されたんだけど、そんなバカなの?」
バ、バカって……
確かに勉強できないけど!
「今日も呼び出しされてたしね」
「……」
図星すぎて何も言えない。