ぜんぶ欲しくてたまらない。
スピードが速いジェットコースターはあっという間に終わってしまう。
気づいた時にはもう最初の場所へと戻ってきてしまっていた。
「あー、楽しかった」
久しぶりに乗ったけど、やっぱり楽しいな。
「……って、コウくん大丈夫?」
気持ちが舞い上がっていたわたしは隣にコウくんが居ないことに気がついて後ろを振り返ると、顔色が真っ青になったコウくんが居た。
「コウくんまだ絶叫系苦手だったんだね」
小さい頃からわたしはジェットコースターが好きで何度も乗っていたんだけど、コウくんは嫌いみたいで恐怖のあまり泣いてしまう時もあった。
さすがに大きくなった今、泣くことはないけれど顔色が悪くなるくらい苦手なのは変わらないらしい。
「ちょっと休憩させて」
もう平気だろうと思っていたけど……
無理矢理乗せてしまった罪悪感もあり、すぐに休憩をすることにした。