ぜんぶ欲しくてたまらない。
選んでほしい。
コウくんに会いに行こう。
……でも、やっぱりまだ。
ちょっと玄関を出て、お隣に行けば簡単にコウくんに会うことができる。
ベッドから起き上がり気合いを入れては、足が震えて部屋を出られずベッドへダイブの繰り返し。
あまりにもバタバタとするから、お母さんに何事かと心配されてドアを開けられ、冷ややかな視線を貰ったのはついさっきの話。
枕に顔を埋めて声にならない声を出していると、ブーッとスマホが短く鳴った。
ベッドサイドテーブルに伏せておいていたスマホを手に取って電源をつけると、メッセージの送り主は咲良ちゃんだった。
そういえば、奥田くんとデートの後電話をした以来話すのは久々かもしれない。
グダグダと過ごしているうちに夏休みは半分を過ぎようとしている。
宿題もまだ終わってない。
まぁ、それは最後の1週間くらいで片付ければいっか。
きっと終わらない終わらないと最初から計画的に進めなかった今のわたしをあとで恨むことになる気がするけど。
それよりも今は咲良ちゃんのメッセージだ。
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