ぜんぶ欲しくてたまらない。



「待たせちゃってごめんねっ」


「2人ともただいま」



しばらくして咲良ちゃんと須藤くんが戻ってきた。


咲良ちゃんの手にはいちご味のかき氷、須藤くんの手にはメロン味のかき氷がある。


わたしたちの行ったフルーツ飴屋さんはここから近いところにあったけれど、咲良ちゃんたちが行ったかき氷屋さんは入口の方にあり、ここからは遠かった。


それもちょっと帰りが遅かった理由かもしれない。


会場に来た時は薄暗かったけれど、もうすっかり星の輝く夜になった。


あと1時間もすればお待ちかねの花火が始まる。


ちょうど夕飯時でかき氷とフルーツ飴ではお腹が満たされなかったわたしたちは、焼きそばとたこ焼きを買ってきて食べることにした。



「んー、美味しいっ」



お祭りで食べるご飯は、お家で食べるのとはまた違った良さがある。


焼きそばを口に運ぶ咲良ちゃんはご満悦の様子。



「咲良ちゃん美味しそうに食べるね!俺もたーべよっと」



咲良ちゃんの様子を笑顔で見守っていた須藤くんは、手に持っていた割り箸を綺麗に割って同じ焼きそばを美味しそうに食べていた。




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