ぜんぶ欲しくてたまらない。
付き合ってほしい。



どれくらい走ってきたんだろう。



「……ここどこ?」



思わずそんな声が漏れてしまうくらい薄暗く何も無い場所へと来てしまった。


キョロキョロと見渡して見るも、人は全く居ない。



「うっ……」



嫌な風の音がして、恐怖で体が震えた。


とりあえず元いた場所へと戻ろう。


突然抜けてきてしまったから、きっと咲良ちゃんも須藤くんも心配しているかもしれない。


2人とも優しすぎるから。



でも、どうしたら───



方向音痴のわたしには来た道を戻ろうにも、その道がどこなのかわからない。


とりあえずあの明るい方へと向かえば大丈夫だろうか。


薄暗い中でひと方向だけすごく明るいところがある。


きっとあそこがお祭り会場だと思う。


たとえ違っても広い道には出るだろう。


早くここから抜け出そうと早歩きで進む。


光り輝く場所に近づくにつれて、辺りも明るくなってくる。


あともう少しでこの森を抜け出せそう。


そんな時だった。






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