ぜんぶ欲しくてたまらない。
「なんとかなるかなぁって……」
あははと苦笑いするわたし。
そんなわたしにコウくんは疑いの目を向ける。
「バカなの?今まで宿題全部一人で終わらせたことある?」
「な、あるもん!きょ、去年だって……」
と言いかけて、ふと思い出す。
勉強嫌いなわたしはなかなか机に向かうことができず、ダラダラとしているうちに夏休みも終わりに近づき、毎年コウくんに泣きついて助けを求めていた。
コウくんが転校してしまってからは、咲良ちゃんに頼み込んで一緒にやってもらってたんだっけ……
「あはっ」
「笑ってもダメだよ、芽依」
「はい、ごめんなさい」
「もう全部終わったけど、結構面倒くさいのとか難しいのもあったし、芽依だけじゃ絶対終わんない」
コウくんは深いため息をついてわたしを見た。
ん?待って?
コウくん今、全部終わったって言ったよね?
あの量の宿題を全部……?
一度目を通して、問題のわけがわからず投げ出してしまったあの宿題たちを?
「えぇっ!?」
「ちょっと大袈裟すぎじゃない?」
それはコウくんが凄すぎるからだよ。