ぜんぶ欲しくてたまらない。



「ん?電話?」



スーパーまであと少しというところでポケットに入れたスマホが鳴っていることに気がついた。



「もしもし?」


『あ、ごめん芽依、もうスーパーに着いた?』


「ううん、もうすぐ着くところ」



電話の主はお母さん。


きっと、多分。



『申し訳ないんだけどキャベツも一緒にお願いできないかしら』


「いいよ、大丈夫」


『お金は足りるわよね。お願い!』


「はーい」



途中でお使い追加なんて、こんなこともよくある。


牛乳にキャベツか……

ちょっと重いな。


スーパーまでは近いと言えども、それなりに距離があるから大変なんだ。


雨が降りそうだったから歩いてきたけど、なんとか天気ももちそうだし自転車で来たらよかった。



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