ぜんぶ欲しくてたまらない。



「終わったよ」


「ん」



コウくんは返されたスマホの画面を確認してポケットへしまっていた。



「ねぇ、おいで芽依」


「えっ」


「こっち来て」



ぽんぽんとコウくんが叩くのは、わたしのベッド。


コウくんのお隣。


そんな、緊張しちゃうよ。



「ねぇ、早く」


「わぁっ!」



わたしの体はいとも簡単にコウくんの腕に引かれてバランスを崩す。


気づけばわたしはコウくんの横に寝そべっていた。


コウくんが近い。


胸のドキドキがベッド越しに響いて聞こえてしまいそう。


コウくんにこんなに近づいたのは久しぶりで、頭がおかしくなりそうになる。



「芽依、ドキドキしてる。そんなに緊張してるの?」


「へっ、そ、そんなことないよ!?」



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