ぜんぶ欲しくてたまらない。



「えへへっ」


「何笑ってんの、気持ち悪い」


「なんでもなーい」



ようやくわたしを見てくれたコウくんは、嬉しくて緩んでしまった口元を見て、怪訝そうな表情を浮かべていた。


質問の答えを濁すわたしに納得がいかなさそうコウくんだったけど、それ以上つっこむ方が面倒くさくなったのか、また前を見て歩き始めた。


それでもいいんだ。


コウくんと話せるだけでわたしは幸せだよ。



「おーい、航大!芽依ちゃーん!」


「スタンプ発見したよー!」



少し離れてしまっていた須藤くんと咲良ちゃんが無事に1つ目のスタンプを見つけたみたいで、手を大きく振りながらわたしたちを呼んでいた。



「2人が呼んでる。行こ、コウくん!」


「え、走んの?だるっ……」



そんなやる気のないコウくんの腕を掴んで、引っ張るように2人の元へと向かう。


近づくとはっきり見える"チェックポイント①"の文字。


事前に渡されていたスタンプカードにインクをつけたスタンプを押す。




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