ぜんぶ欲しくてたまらない。



「芽依ちゃん、倉敷くん!大丈夫?」



後ろからついてきていないことに気がついた咲良ちゃんと須藤くんが戻ってきてくれた。



「ごめんね、足靴擦れして擦りむいちゃったみたいで……コウくんに手当してもらってたんだ」


「そっか、すぐに気づいてあげられなくてごめんね?」


「ううん!謝らないで咲良ちゃん!」


「とりあえず無事でよかったよ」


「須藤くんも心配かけちゃってごめん」



結局みんなに迷惑かけちゃったね。


せっかくだからと入学祝いで買ってもらったスニーカーを履いてきたんだけど、少し汚れてしまっていても履きなれた古いスニーカーを履いて来たらよかったな。



「芽依ちゃんゴールまで行けそう?」


「うん、多分大丈夫だと思う」



コウくんにちゃんと手当てしてもらえたから。



「なぁ俊介」


「ん?なに?」


「そんな早く歩けないだろうし時間過ぎるかもしれないから、岩佐さんと先に行って先生に伝えといてくんない?」


「あぁ、そうだな。わかったよ、俺たちに任せといて」



無理しないでねと咲良ちゃんからも念を押され、頷いたわたしはスタンプカードを咲良ちゃんと須藤くんに預けて見送った。




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