ぜんぶ欲しくてたまらない。
「わたしのせいで付き合わせちゃってごめんね」
「俺がしたくてやってんだから謝る必要ないし」
2人の姿が見えなくなった頃、わたしはコウくんに謝った。
すごく迷惑をかけてしまっているから。
「ほら、背中乗りなよ」
コウくんは突然わたしの目の前に腰を下ろして背中を向ける。
これは───おんぶってこと?
「無理無理無理っ!そんなことできないよ!」
だってわたし……た、体重は言えないけど太っちゃったし、重くてコウくんの背中になんて乗れない。
「いいから、早く」
「本当にダメっ!」
コウくんだって自分の荷物があるし、荷物を持ったわたしをおぶるなんてコウくんの負担が大きすぎる。
「早くは歩けないかもしれないけどちゃんと自分で歩けるから!」
わたしの必死なお願いで、コウくんは何とか折れてくれた。