ぜんぶ欲しくてたまらない。



「おはよ、咲良ちゃん。ちょっと待たせちゃった?」


「ううん、大丈夫!わたしも今来たところだよ」


「そっか、良かった」



……というのも、あまり咲良ちゃんを1人で待たせたくない。


美人さんすぎて、あっという間にナンパされてしまうから心配なんだ。



「わたしも芽依ちゃんを待たせてなくて良かったよ。1人にしたらすぐ悪い男に引っ掛かっちゃうそうだから」


「え?そんなことないって!心配なのは咲良ちゃんの方だよ」



まさか、咲良ちゃんも同じことを思っていたなんて。


わたしは咲良ちゃんみたいに美人でも可愛いわけでもないから、ナンパされる心配なんて微塵もないのに。



「もう、芽依ちゃんは自分の可愛さをわかってないんだから」


「またそんなお世辞言っても何も出てこないよ?可愛いのは身長だけ」



咲良ちゃんにそう言って貰えるのは嬉しいけれど、認められるほどナルシストでもないし、容姿が残念すぎる。




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