ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-


『俺も、好きだよ』


——夢で本当に、よかった。


この言葉を口にしたら、きっと俺は、止まれなくなる。

まだ、だめだ。
まだ……。


もう一度深く息を吐くと、俺は愛花を抱えて立ち上がった。

寝室に向かい、ベッドにそっと寝かせてやる。

さらりとした髪を撫でてやると、んん……、と小さく唸ったあどけない寝顔に、愛おしさが湧き上がった。
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