ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-
パチン、という音ともに電気が消えて、わたしはあーっ、と情けない声を上げた。
「まだ見てたのに」
「熱心すぎ。もういいだろ」
呆れたように言われて、唇を尖らせながらアルバムをパタンと閉じる。
あれから、今度はひとりでじっくりと、隅々までおーちゃんの写真を探しては眺めてを繰り返していた。
今よりずっと幼さの残る雰囲気に、わたしは釘付けになってしまった。
……わたしと出会う前の、わたしの知らないおーちゃん。
そう考えて、少しだけ寂しい気持ちになりながら、アルバムを置いて寝室へと向かう。
部屋に入ると、すでにベッドの中にいたおーちゃんがわたしを見た。