分かってはいるけど、どうしても



「何?どうしたの?」



目を擦りながら聞く。



「隣の中島さんの家が火事になってるって」


「それは、大変な。中島さんは?」


「は?だから、中島さんの家が燃えてるの」


お母さんが呆れたように言う。私は中島さんがどうなのか聞いたのに。


「消防の人は来てるの?」



ようやく完全に目を覚ました私は、急に心配になった。


「うん。今消火してるみたい。もしかしたらここも危ないかもって」



「そう。じゃあ必要なものを持って、外に出よう」


私は財布と携帯、そして大事な写真をもってお母さんと外へでた。

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