分かってはいるけど、どうしても

消火活動が早かったおかげで、私の家は無事だったが中島さんの家は全焼してしまった。


あの日、あの火事の日、中島さんの奥さんとそこへ遊びに来ていた親戚の小学校六年生の男の子が亡くなった。


「真夏ー」



「何?」



「卵買ってきてくれる?」



「うん、分かった」


お母さんからお金をもらって、コートを着てから寒いであろう外へ出た。


< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop