転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
気持ち良くさせられているのも、前後不覚になっているのも、自分ばかりのようで──むうっと唇を尖らせて不服げな眼差しを向けた彼女に、春人はひそかな焦りを覚える。
(怒ってるのか?)
自分としてはかなり労力をかけたつもりなのだが、やはり性急だったのだろうか。
ベッドに転がる結乃が、顔はほとんど横を向いたままチラリと春人を流し見た。
「……春人さんも、服、脱いでください」
「え?」
言われたことが予想外で思わずまばたきを繰り返すも、春人は素直にうなずく。
「わかった」
そういえばたしかに、彼女ばかりを剥いておいて自分は一切服装を乱していなかった。
己のがっつき具合に呆れつつ着ていた黒いニットとインナーの裾をまとめて掴み、バサッとひと息に脱ぎ捨てて床に落とす。
入籍から1ヶ月。だというのに、結乃が春人の服の下に隠されていた肌を見たのは今が初めてだった。
適度な筋肉が覆う美しく均整のとれた夫の身体を目のあたりにし、結乃の唇から無意識にうっとりとした吐息がこぼれる。
腕時計を外していた春人が、ふと、膝立ちになった自分の下から妻が向けている視線に気づく。
こちらを見つめるその甘いタレ目がやけに熱っぽく蕩けているような気がして、首の後ろにゾクリと甘い痺れが走った。
衝動のまま半身を折り曲げ、赤く色づいている耳殻にキスを落とす。
「……もう、いいか?」
壮絶な色気を孕みながら耳に流し込まれた言葉の意味を理解して、カッと結乃の顔に熱が集まった。
それでもなんとか首を縦に動かせば、安堵の吐息をこぼした彼が身体を起こし、ベッドボードへと手を伸ばす。
いつからその場所にあったのか、引き出しから出てきたのは避妊具だ。春人は一度ベッドを下りてチノパンとボクサーパンツを脱ぎ捨てると、手早く準備を済ませ再び結乃に覆い被さる。
(あ……)
チラリと見えてしまった自分にはないもののインパクトに思考がフリーズしかけるが、ふと、結乃の脳内にいつかの会話が思い出された。
(怒ってるのか?)
自分としてはかなり労力をかけたつもりなのだが、やはり性急だったのだろうか。
ベッドに転がる結乃が、顔はほとんど横を向いたままチラリと春人を流し見た。
「……春人さんも、服、脱いでください」
「え?」
言われたことが予想外で思わずまばたきを繰り返すも、春人は素直にうなずく。
「わかった」
そういえばたしかに、彼女ばかりを剥いておいて自分は一切服装を乱していなかった。
己のがっつき具合に呆れつつ着ていた黒いニットとインナーの裾をまとめて掴み、バサッとひと息に脱ぎ捨てて床に落とす。
入籍から1ヶ月。だというのに、結乃が春人の服の下に隠されていた肌を見たのは今が初めてだった。
適度な筋肉が覆う美しく均整のとれた夫の身体を目のあたりにし、結乃の唇から無意識にうっとりとした吐息がこぼれる。
腕時計を外していた春人が、ふと、膝立ちになった自分の下から妻が向けている視線に気づく。
こちらを見つめるその甘いタレ目がやけに熱っぽく蕩けているような気がして、首の後ろにゾクリと甘い痺れが走った。
衝動のまま半身を折り曲げ、赤く色づいている耳殻にキスを落とす。
「……もう、いいか?」
壮絶な色気を孕みながら耳に流し込まれた言葉の意味を理解して、カッと結乃の顔に熱が集まった。
それでもなんとか首を縦に動かせば、安堵の吐息をこぼした彼が身体を起こし、ベッドボードへと手を伸ばす。
いつからその場所にあったのか、引き出しから出てきたのは避妊具だ。春人は一度ベッドを下りてチノパンとボクサーパンツを脱ぎ捨てると、手早く準備を済ませ再び結乃に覆い被さる。
(あ……)
チラリと見えてしまった自分にはないもののインパクトに思考がフリーズしかけるが、ふと、結乃の脳内にいつかの会話が思い出された。