転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「簡単なもので悪いが」
そんなセリフとともに目の前のテーブルにコトリと置かれた皿の中身を見て、結乃が目を輝かせる。
シンプルな白い皿の真ん中に、茶色の焼き目がついたまあるいふかふかのパンケーキ。
湯気とともに立ち上る甘い香りを堪能しながら、結乃は笑顔でナイフとフォークを手にする。
「すごくおいしそう……! 春人さんパンケーキ焼くの、とっても上手なんですね」
「ありがとう。ハチミツでもジャムでも、好きなものをかけて食べてくれ」
「はい!」
バターをひとかけら載せるとパンケーキの温度でとろりとやわらかく溶けて、もはやその光景だけで顔がにやけた。
そこへさらにハチミツをたっぷりかけたあと、ひと口サイズに切ったパンケーキをぱくりと頬張る。
とたん、結乃の顔がますます幸せそうにほころんだ。
「おいし〜! 春人さん、おいしいです……!」
表情も声音もわかりやすくよろこんでいるとわかる彼女の様子を見て、向かい側の椅子を引いた春人もふっと笑みをこぼす。
「口に合ったならよかった」
そうして一度は腰を下ろしかけた彼が、不意に右手を伸ばして結乃の唇の端に触れた。
「ハチミツ、ついてる」
言いながらすくい上げた指先を、今度は自分の口もとに持ってきてペロリと舐める。
楽しげに細められた目と一瞬見えた赤い舌が、やけに扇情的だった。
そんなセリフとともに目の前のテーブルにコトリと置かれた皿の中身を見て、結乃が目を輝かせる。
シンプルな白い皿の真ん中に、茶色の焼き目がついたまあるいふかふかのパンケーキ。
湯気とともに立ち上る甘い香りを堪能しながら、結乃は笑顔でナイフとフォークを手にする。
「すごくおいしそう……! 春人さんパンケーキ焼くの、とっても上手なんですね」
「ありがとう。ハチミツでもジャムでも、好きなものをかけて食べてくれ」
「はい!」
バターをひとかけら載せるとパンケーキの温度でとろりとやわらかく溶けて、もはやその光景だけで顔がにやけた。
そこへさらにハチミツをたっぷりかけたあと、ひと口サイズに切ったパンケーキをぱくりと頬張る。
とたん、結乃の顔がますます幸せそうにほころんだ。
「おいし〜! 春人さん、おいしいです……!」
表情も声音もわかりやすくよろこんでいるとわかる彼女の様子を見て、向かい側の椅子を引いた春人もふっと笑みをこぼす。
「口に合ったならよかった」
そうして一度は腰を下ろしかけた彼が、不意に右手を伸ばして結乃の唇の端に触れた。
「ハチミツ、ついてる」
言いながらすくい上げた指先を、今度は自分の口もとに持ってきてペロリと舐める。
楽しげに細められた目と一瞬見えた赤い舌が、やけに扇情的だった。