転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「──、」
……なんだろう。
なんだろう、このザワザワとした気持ちは。
長身の春人より、さらに背が高いその人。若干強面ともいえる勇ましく鋭い顔つきはそれでもかなり整っていて、こうして春人と並んでいるとテレビや雑誌の中のシーンを切り取ったみたいだ。
間違いなく、今日初めて会う人──の、はず。
けれどどうして……ふたりの立ち姿ややり取りに、こんなにも既視感を覚えるのだろう。
ふと、男性の視線がこちらに動いて目が合った。結乃はドキリとして背筋を伸ばす。
ふたりを向き合わせるため、少し身体をずらした春人が口を開いた。
「結乃、こいつの名前は青山仁。一応、大学時代から俺と一緒にユーアソシエイトを経営している男だ」
「どうも、突然押しかけて申し訳ない。この朴念仁が入れ込んでる噂の奥方をひと目見たくて、しびれを切らしました」
「おい」
春人が不服そうに声を漏らす。
屈託なく笑いかける仁につられ、結乃も口もとを緩めた。
なのに、心臓は嫌に早鐘を打つばかり。理由がわからず、表向きはにこやかにしながら内心でうろたえる彼女に──夫の友人は、すべてを見透かしているような瞳で笑みを深めた。
「まあとりあえず、改めて……ハルの友人で仕事仲間でもある、青山仁です。はじめまして結乃嬢、会えて光栄だ」
その、仁のセリフを聞いた瞬間。
まるで雷に打たれたように、結乃の脳裏にはある記憶がフラッシュバックした。
『──こうして話すのは初めてだな、ブランシュ嬢。会えて光栄だ。きみ、ラノワールの幼なじみなんだって?』
きっと今自分は、ひどく驚いた表情をしている。
……ああ、そうだ。
覚えがあるはずだ。だってこの人は──自分が看護師として王城で働いていたあの頃、ハルトと同じ白い団服姿で、よく彼の隣に立っていたのだから。
ユージーン・ブルースト殿。何かと気がかりだった幼なじみの、数少ない友人兼同僚。
白い歯を見せて笑う目の前の顔が、遠い昔に見た覚えのある笑顔とピタリと重なった。
……なんだろう。
なんだろう、このザワザワとした気持ちは。
長身の春人より、さらに背が高いその人。若干強面ともいえる勇ましく鋭い顔つきはそれでもかなり整っていて、こうして春人と並んでいるとテレビや雑誌の中のシーンを切り取ったみたいだ。
間違いなく、今日初めて会う人──の、はず。
けれどどうして……ふたりの立ち姿ややり取りに、こんなにも既視感を覚えるのだろう。
ふと、男性の視線がこちらに動いて目が合った。結乃はドキリとして背筋を伸ばす。
ふたりを向き合わせるため、少し身体をずらした春人が口を開いた。
「結乃、こいつの名前は青山仁。一応、大学時代から俺と一緒にユーアソシエイトを経営している男だ」
「どうも、突然押しかけて申し訳ない。この朴念仁が入れ込んでる噂の奥方をひと目見たくて、しびれを切らしました」
「おい」
春人が不服そうに声を漏らす。
屈託なく笑いかける仁につられ、結乃も口もとを緩めた。
なのに、心臓は嫌に早鐘を打つばかり。理由がわからず、表向きはにこやかにしながら内心でうろたえる彼女に──夫の友人は、すべてを見透かしているような瞳で笑みを深めた。
「まあとりあえず、改めて……ハルの友人で仕事仲間でもある、青山仁です。はじめまして結乃嬢、会えて光栄だ」
その、仁のセリフを聞いた瞬間。
まるで雷に打たれたように、結乃の脳裏にはある記憶がフラッシュバックした。
『──こうして話すのは初めてだな、ブランシュ嬢。会えて光栄だ。きみ、ラノワールの幼なじみなんだって?』
きっと今自分は、ひどく驚いた表情をしている。
……ああ、そうだ。
覚えがあるはずだ。だってこの人は──自分が看護師として王城で働いていたあの頃、ハルトと同じ白い団服姿で、よく彼の隣に立っていたのだから。
ユージーン・ブルースト殿。何かと気がかりだった幼なじみの、数少ない友人兼同僚。
白い歯を見せて笑う目の前の顔が、遠い昔に見た覚えのある笑顔とピタリと重なった。